MOEGIの目指すもの


〇MOEGI(萌木)とは、「芽吹いたばかりの草木」を意味します。

 

MOEGIのルーツは、私自身の経験からきています。

 

精神疾患を抱えた家族と住んでいた頃。

私は当時その存在を疎ましく思い、それを誰にも話せず生きづらさを感じていました。そして私自身も発達障がいを持ち苦しんでいました。

 

その家族はもうこの世にはいませんが、私はその人から

大切なことを教わりました。

 

「みんな同じ人間なのだ」と。

どんな病気や障がいを持っていても、それはその人の一部でしかない。

誰もが個性を持って、何らかの使命を持って生まれ、

誰もが人間らしく生きていく権利がある。

その人の権利を、希望を、価値観を、否定することは誰にもできない。


存在を失って初めて、気付いたのです

まさにそのとき、芽吹いたような気がしました。

きっとまだ遅くない。芽吹いてから、人は変わることができる。

 

病気や障がいは、生きづらさや苦しみを与えるだけではなく、私たちに大切な何かを教えてくれるものでもあると思っています。

そして環境によって、生きづらさは強みや生きがいに変わることがあります。

そんなことを伝えていけたらなあと思い、この仕事をしています。

 

私と同じように、自分自身のこと、家族のこと、親しい人のことで「生きづらさ」を感じている方が、少しでも楽に、そしていつの日か「芽吹く」ときのために、

あなたの支えになりたいと思っています。

 

 

 

 

〇トータルペインという考え方 

人の痛みは、分かりやすく次の4つに分けられることがあります。

 ①身体的な痛み(身体の痛み、薬の副作用)

 ②精神的な痛み(うつ、不眠などの精神症状)

 ③社会的な痛み(経済困難、役割の喪失など)

 ④スピリチュアルな痛み

  (生きる意味、価値、目的の喪失)

これらの痛み、苦しみはすべてをゼロにすることはできませんが、向き合い方を変えてみるだけで、少しずつ減らすことはできます。


〇当院の鍼灸施術は、痛みをとるだけではありません。

当院では、

鍼灸はそれ自体が心理療法のようなものであると考えています。

鍼灸は患者さんご自身の治癒力を引き出すものです。

そして、そこから自分でも気付かなかった可能性や意味に気付かされることがあります。

心身が病んでいることの意味、原因に向き合うことは、

自分自身の人生と向き合うことでもあると思うのです。それを患者さんと一緒に探し、

身体から心を、心から身体を変えていける鍼灸を目指しています。

 

〇患者さまの苦しみ、悩みに寄り添う対話と傾聴を心がけています。

施術の内容も大切ですが、患者さまへ向き合う態度、

共感の姿勢は、それよりもはるかに大切なことであると考えています。

同情ではなく心からの共感、指導ではなくただ側にいて寄り添うことの大切さを心がけています。

 


当院は、治ることよりも寛解(かんかい)を目標にしています。

寛解とは主に精神医学の世界で用いられる言葉で、

「全治とまでは言えないが、病状が治まっておだやかであること」と解釈します。

「治るまで通わなければいけない。いつになったら治るんだろう。一生治らないかもしれない……」こんな気持ちを持ったまま鍼灸を受けることは、心身にとって大変な

負担になります。

それよりも、「この前よりは少し調子がいいかも。完璧ではないけど、まあいいか。一番悪いときに比べたらなんてことない。」

このように思えることができるようになると、

もっと気楽に鍼灸を受けていただけるのではないかと思います。

 

「中庸」(ちゅうよう)という言葉があります。「過不足がなく、調和がとれていること」という意味もあるのですが、こんな心身を目指していけたら素敵だなあと思っています。「治る」「治らない」の2つではなく、その間の「まあまあいい感じの幸せを、感じてみませんか?

 

〇適応疾患について知りたい方はこちら