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サードプレイスの原点

久しぶりの更新になってしまいました。

 

 

私が「サードプレイス」(第三の居場所、自宅と職場の中間地点)という言葉を知ったのは、高校三年生のときでした。

大学が決まった三年生の12月、某コーヒーショップでのアルバイトを始めたのです。

 

全国的にもそのサービスの質の高さで有名だったそのカフェに、何も知らず面接へ行きました。そして働くことになったのですが、それはもう大変でした。研修は社員さんと同じように受けることはもちろん、コーヒー豆の勉強、会社の歴史、接客サービスの研修など、大学の勉強よりはるかに頑張っていました。笑

 

しかし、頑張れば頑張るほど空回りしてしまう。失敗を繰り返し、注意されても治すことができない。。焦ると軽くパニックになってしまう。

そんな発達障害の特性は、この頃から目立つようになってきました。ドジ、おっちょこちょいという言葉では済まされない失敗も数えきれないほど犯していました。

 

そんなどうしようもない私を、周りのスタッフは決して見捨てませんでした。失敗するたびに謝るのですが、そのときの店長はいつも、「謝らなくていいんだよ、お前は悪いことなんかしてない、頑張ってるから」と言うのです。

本当に、人に恵まれていました。

 

そんなカフェで習った言葉が「サードプレイス」だったのです。お客様にサードプレイスを提供し、日常に潤いを与える。そんな理念でした。

 

そこで働いていた私自身、家と大学の中間地点であるアルバイト先がサードプレイスであり、救いの場でもありました。

家族関係が悪く、安全ではない家の中。友達が少なくやる気もなかった大学生活。私はどこかに居場所を求めていたのです。

 

問題がありながらも受け入れてくれるスタッフ、毎日会える笑顔のお客様、心から働くことが楽しいと思えた日々だったのです。

 

そんな約10年前の出来事を今でも鮮明に思い出せるくらい、私のサードプレイスは強烈に心に刻まれています。

そして今、そんな経験を多くの方へ伝え、見つけていただきたいと思っています。

 

 

萌木堂も、誰かの心に残るサードプレイスになれれば…と願ってやみません。