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病名をつけるということ

これは少し前にインスタで投稿したものです。「名は呪い」なんのことやらですよね・・。


これは、夢枕獏さんの小説『陰陽師』の中で安倍晴明がよく言っていたことばだそうです。
「名前はこの世で一番短い呪」
とも書かれています。そして、「呪いは人や物を縛る」とも言っています。

あるものに名前をつけることで、そのものには命が宿ります。
名付けること=パワーを持つことでもあるのですが、逆の考え方もできます。

自分の症状にある病名がつけられると、安心すると同時に、その枠の中でしか考えられなくなることがあります。まさに名前という呪いに縛られ、自分は〜病なのだ、という思い込みから可能性を狭めてしまうことがあります。

「〜病だから○○」は一種の偏見だとも思います。

例えば自分の家族がうつ病だとします。その「うつ病」という名前は、その人を表すのでしょうか?

うつ病でもなんでも、家族には変わりないはずです。「うつ病の家族」という肩書はとても分かりやすく、一般的に使われているようにも思います。

でもそれを「家族がたまたまうつ病」という風に考えたらどうでしょうか?

「私の家族はうつ病だから仕方ない、働けないのもうつ病のせい」と考えるより、

「私の家族は働けない。うつ病もあるけど、実際何に悩んでいるんだろう。何に困っているんだろう」このように考えることで想いを巡らすこともできそうです。

 

病名をつけることは大切です。それによって救われることもあります。

大切なのは、

その病気のことを理解しつつ、他の可能性も考えてみる。
病気ではなく、人を見る。このことも忘れてはいけないと思います。

 

少し視点を変えるだけで、見方も変わるかもしれません。